
ミッションスタート! というわけで本日はボウケンジャーの話。 来年ゲキレンジャーVSボウケンジャーがつくられる可能性はありますので、その意味ではまだ現役の戦隊ですね。
さてこのボウケンジャー、ひとことで言うと、やはり「一筋縄ではいかない」戦隊です。 一見フォーマットに忠実なようでいて、実は相当型破りで、チャレンジングなコンセプトに基づいてつくられた作品であると思います。
まず、なぜ2006年の戦隊モチーフが「冒険」「宝探し」なのか? 戦隊作品のモチーフは、常に「時代の半歩先」を目指して決定されるのが通例のはずなので、もはや地球上に人類の足跡のない場所はない、そんな21世紀にあえて「冒険」を選ぶ理由が、実はいまだによく分かりません。
そして作品内世界観にしても、なにしろメインライターが會川昇! 世の中を善と悪の二色にわけて考えることなど絶対にしない作家ですねこの人は。 だからまず、そもそもボウケンジャーの行動原理が「正義」でもなければ「悪と戦う」事でもない。 目的はあくまでプレシャスの保護であり、しかもそれはまず「任務だから」行う、というプロ集団。 プロだから任務のために協力して最善を尽くすけど、1人1人が胸の内に秘めた想いはそれぞれてんでバラバラなのです。
主人公たちにしてからがそうなのだから、当然敵側の組織、ネガティブシンジケート達も、それぞれがその思惑に従い、時に手を組み時に裏切り、互いを出し抜こうと火花を散らし、さらに各組織の中でも内部抗争が発生したりという、これでもかと言わんばかりの一筋縄ではいかなさっぷり。
途中参入するボウケンシルバーは宿敵であるアシュの血を引く男であったり、 終盤になると、ボウケンジャーの所属する組織・サージェスに対してすらメンバーから疑念がわき上がってきたりと、善の中に悪があり悪の中に善がある・もはやなにを信じていいのかさっぱりわからない!という状況にすら追い込まれてしまいます。
と、こういう書き方をしてしまうと、ものすごい混沌とした作品であるかのように思えてしまいますが。 しかし俺的には一年通してかなり面白く観ることのできた、非常に完成度の高い作品です。 いい俳優陣に恵まれたおかげもあってそれぞれのキャラクターはどれも生き生きと魅力的だし、もちろんストーリーも一年を通してダレることなく面白さを維持していたと思います。 なんのかんのいっても會川昇さん、実力のある作家ですから。 後半に入るとだいぶ登板間隔が開くようになりますが(たぶん妖奇士が忙しくなったんでしょう)、そのぶん他のライター陣・特に小林靖子がいい仕事してくれてました。
こうして考えてみるとこのボウケンジャー、 會川昇という異才をメインライターに抜擢したことこそが、最大の冒険だったのかも知れませんなあ。 と、キレイにまとまったところで(?)本日は終了!
スポンサーサイト
|