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上山道郎 (うえやま みちろう)

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別冊兄弟拳blog
漫画家・上山道郎のラクガキや近況報告
リメイクという意味


*メイド服バリエーションを研究中*





 
 さて劇場版ドラえもんの話ですが。

今年が「のび太の恐竜」、来年が(おそらく)「魔界大冒険」。
それに対して、「旧作のリメイクが続くのはいかがなものか」
という意見があるようです。

去年、「のび太の恐竜」を作ることが発表されたときも、
「リメイクで、旧作を汚すな」的な批判が各所で散見されまして、
そのときにも感じたのですが。
おれにはその発想が、正直言ってまったく理解できません。
なぜかな?
と、しばらく考えていたのですがどうやら根本的な問題のひとつは
「リメイク」という言葉の使い方にあるらしいことに気付きました。

「リメイク」とは「作り直す」ことで、
「映画をリメイクする」というと、「古い映画を元に、また新しい映画をつくる」という意味で使われます。

たとえば去年公開された映画「キングコング」は、
1933年に作られた映画「キングコング」のリメイクです。
これが正しい意味での「リメイク」の使い方だとします。

では「のび太の恐竜2006」は、1980年の映画「のび太の恐竜」のリメイクでしょうか?
ちがいます。

「のび太の恐竜2006」は、漫画「大長編ドラえもん・のび太の恐竜」を原作として、
現在のスタッフでアニメーション映画にしたものです。

「前の映画をリメイクした」ものではなく、「同じ原作を元にした別の映画」です。
その意味に於いて、「のび太の恐竜2006」は、「のび太の恐竜のリメイク作品」ではありません。

#もっとも、「2006」は、世間一般では「リメイク作品」にカテゴライズされており、
それも完全に間違いとはいいきれない曖昧さが「リメイク」という言葉に潜んでいて、
どうもそこのところに話の食い違う最初の一歩があるようですが…。

乱暴な言い方をしてしまえば、旧「のび太の恐竜」と「2006」は、
互いに独立した、全然別の2本の映画です。

 旧作の映画「のび太の恐竜」も「魔界大冒険」も、
名作であったことは疑いようのない事実です。
そこで、仮に、同じ原作を元にした映画が新たに作られて、
それが傑作であろうと駄作であろうと、
旧作の映画の価値になんの影響があるというのでしょうか。

もし仮に来年の映画がひどい出来だったとしても、
それは原作漫画への冒涜&ファンへの裏切りにはなるかも知れないけど
旧作の映画の価値にいささかの瑕疵も与えるものとは思えません。


 そしてなによりも大切なことは、
まず第一に映画自体が面白いものであるかどうか、ということです。
極端に言ってしまえば、昔の原作を元にしたものであろうが無かろうが、
そんなことはどうだっていいのです。
そもそも、観客のこども達にはまったく関係のないことでしょう。
だって初めて観る映画なんだから。

俺が「魔界大冒険」がまた映画になると知って喜んでいるのは、
まず原作漫画の面白さを知っており、そして今これを原作とすれば
きっと面白い映画が出来るに違いないという、
そういう期待があるからです。

 映画を観る多くのこども達に対してもっとも誠実な姿勢とは、
精一杯面白い映画を作ること。
その姿勢さえ明確なものであるのならば、
映画「ドラえもん」はこれからも生き続けることであろうと、俺は思います。







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この記事に対するコメント

今回作る映画が決して面白くなさそう、とは言いません。
ですが、既存の原作を使う限りは、
「次はどんな冒険が待ってるんだろう」と
毎年ワクワクしていたあの頃はもう戻ってこないのかと思うと
複雑な心境です。

リメイクがどうこうというのではなく、
新しいフィールドでの、ドラたちの活躍が見たいのですけど・・・
【2006/07/11 00:11】 URL | 無記名 #- [ 編集]

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
【2006/07/11 00:34】 | # [ 編集]


前回の「恐竜2006」は面白かったし、次の「魔界大冒険」も楽しみです

しかし、新しい題材で映画が出たとしても同じように楽しめると思います
子供の頃は
 「次は西遊記なのか」 「日本誕生ってどんなお話なんだろう」
という新作を前にした楽しみが確かにありましたから

贅沢な事を言わせて頂ければ、
 『劇場版ドラえもんを毎年上映、リメイクと新作を一年ごとに発表』
という形になると、いい所取りでもっと楽しくなりそうなのですが…
【2006/07/11 00:41】 URL | 無記名 #K2Rmj1sE [ 編集]


美夜子さんの読み方が「みよこ」なのか「みやこ」なのかで未だに一瞬ひっかかってしまう私。

それはそうと、まんが「大長編ドラえもん」シリーズって、どの程度アニメ映画の「原作」だったのかなぁ? って根本的な疑問があります。
映画のコンテ執筆時期を考えると、序盤から中盤までは間違いなく「原作」なのでしょうけど。
マンガと旧映画の関係は、特に終盤は同じ脚本を元に同時進行で作られた兄弟作品なんじゃないかって解釈しています(脚本もF先生ですが)。
最後まで完成し発表されたマンガをアニメ用に解体&再構築するという意味では、今回の再映画化で初めて「原作マンガ」として採用されたんではなかろうかと。

「帽子の星の数伏線」とか「ミもフタも無いウソラスト」とか、やっぱ最初に見た際の驚きはないでしょうけど、大好きなエピソードが長い時を経て新しいアプローチで作られるってのは素直に嬉いっすよー。

ああ、TPぼんを再アニメ化してほしい…(あのTVスペシャルは無かった事にして)。
【2006/07/11 01:17】 URL | 殺し屋ジョー #BoRyKgew [ 編集]


コメント連投すみません。
旧映画の脚本って、ひょっとしたらマンガのネームの事なんでしょうか?
だったら旧作も充分「原作マンガのアニメ化」と言えますやね。
うーん。
【2006/07/11 02:00】 URL | 殺し屋ジョー #BoRyKgew [ 編集]

受け取り方
「旧作を汚すな」というスタンスでは無いんですよね。
むしろ、旧作をリメイク(再制作)することによって、制作サイドは数字が読みやすいとか、画面作りをしやすいとか、そんなうがった見方をしてしまうわけです。さらに言えば、2作品続けて、というのもその見方に拍車をかけてしまうというか。
無論受け取り方しだいなのでしょうが、だからこそ上山先生程好意的に見れないのです。
まぁ、作品の良し悪しはまた別の問題ですので。
【2006/07/11 17:43】 URL | イド #- [ 編集]


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